”空飛ぶ車”という名称で多くの話題を集め、多くの資金を集めたスタートアップもあるという。
しかし、空飛ぶ車の実用は厳しい。
技術的問題、安全上の問題、法的問題、エネルギー消費の問題、公害の問題などあらゆる壁が立ちはだかっている。
これは、自動車の自動運転の実用化よりもハードルは高いと考えられる。
技術的問題を考える
多くの研究はドローンから発想を得た垂直離陸型の回転翼のもの。
つまりヘリコプター型だ。
ヘリコプター型の問題点は、動力が止まると即墜落するので安全上の信頼性を幾重にも備えなければならない。
幾重にも対策をとるとその分重量もかさむので浮上しにくくなったり、さらに危険度も増すことも考えられる。
スタートアップが研究している実機にはクワッドコプターと言われる4つのモーターを組み合わせた形が一般的である。
しかし、クワッドコプターは四つのうち一つでも動力を失ってしまうとバランスを崩して墜落してしまう。
このことは、一つの動力で空中に止まるよりも、四つの動力で空中に止まる方が危険度が高いことを意味する。
駆動はモーターであることが多い。モーターはエンジンよりも出力が小さいのが一般的である。
そして、モーターは重いバッテリーを背負わなければならない。
それでも回転翼機で挑戦するというのは相当難易度が高い。
安全性
上記にも記載したが、クワッドコプターは不安定な構造です。
他にも6基モーター、8基モーターの機種もあるがモーターがバッテリーの重量は問題である。
いずれにしても墜落の可能性が高い。
デザインを見てみると、回転翼の稼働範囲と人間の接触危険度がかなり高い。
救命装置としてのパラシュートが取り付けられる構造にするには難易度が高い。
法的問題
航空法は空の整然な飛行と安全性上厳格に守らなければならない法律です。
国際間の安全保障の問題も関係し、容易には変更できそうもありません。
その中で、空飛ぶ飛行機という個人的な乗り物が多数空を飛ぶということに関して、クリアできるのだろうかと考えてしまいます。
エネルギー消費の問題
回転翼機は空にある場合は常に動力を動かしていなければなりません。
これは多くのエネルギーを常に消費しているということになります。
多くの人や物資を運搬するために、より多くのエネルギーを消費するということは果たしてメリットはあるのだろうかと思ってしまいます。
公害の問題
空は公共的な面を持っています。
地上で生活する人から見れば上空の騒音や落下事故の可能性は公害とも言えます。
公共的な空で自動車的に使用される乗り物が多数の人たちの上空を乗り回すことが可能なのかは疑問が生じます。
空飛ぶ車はあり得ないと考えます。