『脱炭素』 必要なのはエネルギー確保

脱炭素でもっとも重要なのはエネルギー確保です。

さまざまなエネルギー源がありますが、この先はどのようなエネルギーが必要になってきるでしょうか。

条件をまとめてみます。

■CO2を出さないこと。

■手頃でコストが安価であること。

■持続的資源であること。

■未来を通じて安全であること。

■未来に廃棄物を残さないこと。

などが挙げられます。

これらは全てSustainablityの大前提です。

私たちが使えるエネルギーで、これらの条件を満たすのは、どのようエネルギーなのか探ってみます。

一つづつ条件を見ていきましょう。

条件を満たすのは

1.CO2を出さない条件

まず、CO2を出さないエネルギーは、自然エネルギーと原子力発電です。

自然エネルギーとは、太陽光発電、風力発電、水力発電、潮流発電、地熱発電、などです。

2. コストが安価であるもの

次に、手軽で低コストという条件を満たすのはどのようなものでしょうか。

コスト低いという意味は、幾つかの面から見なければなりません。

設備を作る初期費用、元エネルギーの費用、維持管理する費用です。

既存ダムによる水力発電はもう既に建設コストが償却されていると仮定しますので初期費用はかからないと考えます。

維持費については、水力ダムの目的は治水、用水などの機能を持ち多用途であるで分散して考慮しなければなりません。

自然エネルギーの元エネルギーは0円です。

ですから水力ダム、風力、太陽光は元エネルギーの費用は考慮しません。

火力発電は元エネルギーのコストが常にかかります。

日本の場合、その殆どが海外に依存しているため、さまざまなリスクにより入手コストが変動します。

原子力発電は燃料コストがかかります。燃料の使用期間が長い分コストが低いとされています。

しかし、安全管理の要求レベルが高く、事前に膨大な費用がかかってしまい、運転中にも多くの安全管理費がかかります。

それだけに留まらず福島の原発事故では、事故後の復旧については日々莫大な費用がかかっており、そのコストは未来にも引き継がれることになり、もはやこの金額は誰も計算できません。

変換するとコスパが悪化する

日本の場合、何故か水素が持続可能性を救うというような文言が目立ちます。

日本を代表するメーカーが全力で取り組んでいるためか脱炭素の内容では露出度No.1ではないでしょうか。

しかし、水素にはコスト高という難題が壁になります。

最も近い水素の原料は水です。

身近にありますが、これを水素と酸素に分解するのには電気が必要になります。

エネルギー変換をして水素を取り出すわけです。

ここで考えたいのが何のための水素なのか?ということです。

水素で内燃機関を動かしたり、蓄電機能を利用してEVを動かしたりということなのですが。

エネルギー変換なので使用された電気よりも水素の持つエネルギーは小さくなります。

電気は再エネで作らなければ脱炭素になりません。

それならば作った電気で車を走らせたり、動力として使う方が効率が良くコストが安く上がります。

水素の利用には高いコストがかかるのです。

この先、どのようなイノベーションがあるのかは分からないので否定はできませんが、難しい問題です。

3.持続的に使用できる資源であること

この条件をクリアするのは自然エネルギーしかありません。

太陽光由来の太陽光発電と風力発電。そして地球が持つ地下熱を利用する地熱発電などです。

4.未来を通して安全であること

5.未来に廃棄物を残さないこと

結論として

それぞれの項目をクリアするのはやはり再生可能エネルギーになるのです。

現時点で、再生可能エネルギーが補えない部分を輸入水素やCCSでということはあり得るかもしれません。

しかし、最終的には全てを満たすエネルギーは再生可能エネルギーと蓄電の組み合わせでしょう。

今、日本の脱炭素の話題は水素やCCSがあまりにも多いように思います。

再生可能エネルギーでは洋上風力の開発がありますが、主体は海外メーカーです。

蓄電も海外メーカーが主体です。

日本のエネルギーに関するメーカーは是非主体の部分に参入してもらいたいものです。

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